決算書とは全ての会社で作っている資料です。社長も特に疑問も感じず、半ば当たり前のように作っていると思います。ここではその決算書とはどのような資料なのか説明します。
決算書は財務諸表とも言われます。そしてこれは企業を取り巻く利害関係者の対して、財務状況や業績を報告する資料となります。
利害関係者とは?
まず、利害関係者という言葉から説明します。
利害関係者とは、その企業と何らかのお金の関係のある人(組織)です。取引先や金融機関、投資家、税務署、そして経営者や従業員などが利害関係者となります。
利害関係者は英語でステークホルダーと言います。ニュースやメディアでは、ステークホルダーと報道される事が多いので、聞いたら企業とお金の関係のある人(組織)だと思ってください(報道される場合は銀行や投資家を指す事が多いと思います)。
利害関係者はそれぞれ立場は違えど、企業とお金の関係がある訳ですから、その企業がちゃんと儲かっているかとか、払えるお金を持っているかなど、気になります。
例えば取引先であれば、きちんと払ってくれる企業と取引したいと当然考えますし、金融機関であれば約束どおり返済してくれる企業に融資したいと考えるはずです。
税務署であれば利益に応じた納税を求めますし、投資家は投資に値する企業に投資をしたいと考えます。
そしてその企業で働く従業員は、企業がちゃんと儲けて、それを還元(給料アップやボーナス支給)してほしいと考えるでしょう。
このように、企業を取り巻く利害関係者は様々なニーズがある事がわかります。
そしてそれらのニーズに応える一つの方法が決算書となります。
決算書(財務諸表)とは
決算書は、上記で説明した利害関係者に対して、企業の業績がどうか(儲かっているのか)、その結果企業にどのくらい資産や資金力があるのかを報告する資料となります。
財務諸表ともいいます。
実は決算書は、法律で作成が定められているものとなります。
具体的には「会社法」と「金融商品取引法」「法人税法」の3つの法律です。「会社法」と「法人税法」は全ての会社(株式会社)が対象となりますが、「金融商品取引法」は証券取引所に上場している企業のみが対象です。
法律とそこで定められている決算書は次のようになります。
決算書には、上記のように「貸借対照表」や「損益計算書」「株主資本等変動計算書」など複数の資料が存在します。
もちろん全ての決算書がわかれば良いですが、主要なものは「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」の3つです。
この主要な3つの決算書のことを財務三表などと呼んだりします。ですので、決算書に関して学ぶ際にはこの3つを中心に学んでいくと良いでしょう。
まとめ
ここまで決算書とは何なのかについて、説明しました。
まずは利害関係者という言葉を覚えましょう。
そしてそれらに対する報告資料として決算書があるという事、その作成は3つの法律で定められているということを、ここでは覚えてください。