製造工程の効率化推進
企業の状況
インフラ系の資材製造の当社では、製造工程の管理に煩雑な部分やデジタル化が出来ていない部分があり、今後生産ロットの小型化や生産数拡大が想定される中、現状のままでは生産性向上が円滑に進まない懸念があった。
現状分析により具体的には、次の3つが主な問題点と認識された。1. 製造工程で発生する情報(作業日報、作業記録表など)は、各担当が紙資料へ手書きをして別の担当がまとめてシステム入力しており、手間がかかるとともに資料間に情報の重複があった。2. 現場のリーダーが、日々の人の配置や進捗をホワイトボード等を使用して指示・管理しているが、リーダーに対する問合せが多く、担当者が「待ち」の状態になってしまうことが散見された。3. 事務所と現場の情報連携は人と紙媒体が主であり、移動の無駄がある。またテレワークなど社外から業務を行う上で社内環境へのアクセスが限定的なため、一部業務に制約があった。
提案の概要
上記の問題点に対して、業務効率化を図るとともに生産性向上を高める土台を作ることとして、次の方向性で改善を行った。
1. は既存の紙資料の情報を整理し、デジタル化の仕組みを構築した。具体的には、スマホまたはタブレットで稼働するアプリを開発し、作業の都度、手元で即座にデータ化できるようにした。2. も、1.のアプリに日々の担当や注意事項を参照できるようにした。3. は、事務所⇔現場では連携したい情報を洗い出し、モニターやタブレットを活用した情報連携を図った。また社内⇔社外では、vpnを導入し、社外においても社内にいる場合と変わらない業務環境を整備した。
成果
1.により、別途の入力作業が不要となったことに加え、作業時間把握の精度が格段に上がり、型式ごとの標準時間の把握が容易になった。2.により担当の「待ち」が減り、リーダーも自分の作業に時間を振り分けしやすくなった。3.の事務所⇔現場では問合せにかかる移動の無駄が最小限に抑えられるようになった。社内⇔社外では、テレワークを行う場合の事前・事後のファイル取得や戻しにかかる手間をなくし、テレワークの実施を容易にした。
※上記画像は、ぼかし加工をしています。